撮影終わりは本当に疲れる。この日だけは1日で3キロ位痩せた気がする。 それほどにまで体力を使ったと感じる。 にも関わらず、撮影終わりはアドレナリンがかなり出ているために無性にどこかに行きたくなる。この日も撮影だけで10,000歩既に超え、疲れているにもかかわらず、帰るのが惜しい。 このまま夢の国まで行ってやろうか。 そのぐらいのテンションである。 さすがにそれははっちゃけすぎているし、行ってもすぐに閉園になる現実があるので、撮影現場からそこまで遠くない東京スカイツリータウン『ソラマチ』に行くことにした。 ソラマチに行ったことない人に説明するが、ソラマチはショッピングやレストランだけでなく、水族館も併設している商業施設だ（正確にはすみだ水族館がソラマチに含まれているのか微妙なところではあるが）。 ソラマチは非常に誘惑が多い。特に1,2階は、食べ物好きの私にとって夢が詰まっている。 1階には、たこ焼き、クレープ、フルーツサンド。2階にはケーキ、おまんじゅうなど手土産を売っているコーナーから、小籠包やコロッケなどお惣菜を売っているコーナーもある。お金と胃袋に余裕があれば端から端まで買ってしまう。そのぐらい楽しい場所なのである。私は食べ物のウインドウショッピングが好きだ。それぞれのお店の前で、それぞれの商品を妄想で食らう。あれもおいしい、これもおいしいと妄想試食をするの時間は、夏休み初日くらいに楽しい。 私はすっかり疲れが吹き飛んでいた。アドレナリンというものは末恐ろしい。 色んな妄想試食を終えた後、どれか１つだけ選んで買うことにした。 いっぱい買えばいいのだが、1つと限定した方が節約もできるし、ゲーム性が出て楽しいのだ。 肉まん、お刺身、マリオンクレープにキルフェボンのタルト……どれも美味しそうであったが、今回はグランドカステラの「台湾カステラ」を買うことに決めた。 ここの台湾カステラのいいところは、食べ歩きサイズがあるところである。全店基本的には持ち帰って食べることが前提の商品が多いが、このお店は、ここで堪能して帰りなさいという優しい気持ちを感じられる。 そして何よりも美味しそうなのである。ぐりとぐらのカステラをみて「美味しそう……」と思う感覚と全く一緒。ふわふわしていて、甘そうで、みているだけで幸せな気持ちになれる。 もちろん、食べても美味しい。見た目のふわふわは食べてもふわふわ。ほんのり甘く、軽い生地が永遠に食べられることを錯覚してしまう。 見事、台湾カステラで大勝利をしたのだ。 台湾カステラをあっという間に食べ終わり、よし、今日はこれで帰るかと駐車場に向かおうとした時、ふと妄想試食会では見つけられなかったキムチ屋が目に入った。 普段キムチ屋でキムチを買うというほどキムチ好きでは無いのだが、この前に買った安売りしていたキムチがとてつもなく甘く、キムチ選びに失敗していたため無性にキムチ欲が高まっていた。 このお店のキムチは、おそらく本場韓国の味付けであろう。 見た目からして、辛そうなキムチが何種類も並んでいた。店主は僕らに気づき「いらっしゃい。キムチおいしいよ」と、声をかけてきた。「どれも美味しそうですね」と返すと、店主は棚からつまようじを取り出し、きゅうりのナムルにさして僕たちに渡してきた。目で「味見していいよ」とゴーサインを出していたので、1つ食べた。 ……おいしい。 きゅうりのナムルというものは、こんなにおいしいものだったか？ きゅうりは特別好きでも嫌いでもなかったが、ここのきゅうりナムルは、味のバランスがちょうど良く、これとご飯だけでも何杯も食べれてしまう。 そんなおいしさのきゅうりだった。 店主は間髪入れずにタコキムチを取り出した。タコキムチもおいしい。コリコリとした小さなタコの食感に、辛さとタコの旨味が混じって本当においしかった。今すぐご飯を食べたい。そんな気持ちになった。それからも店主は、もはや「味見していいよ」とは言わず、次々にイカキムチ、ねぎキムチ、チャンジャ……棚にあるキムチというキムチを僕らに試食させてくれた。 本当に全部おいしい。こないだ食べたキムチが嘘みたいである。 「ほんと美味しくて全部買いたいです」と、思わず店主に声をかけると「全部買っちゃっていいよ、全部買っちゃって！ハハハッ」と気さくに返してくれた。 1番美味しいと感じたタコキムチの値札には1,390円と書いていた。 私はすごく葛藤した。 キルフェボンのタルト1,000円、対してタコキムチ1,390円。お刺身が載ったパック1,200円、対してタコキムチ1,390円。 いつもであればキムチではなく、タルトやお刺身を買っている。今日はそれらさえ選択せず、駐車場に向かおうとしていた時にこのキムチに出会った。 本来であれば買うはずのないキムチ。 ただこんなおいしいキムチを放っておくことはできるだろうか。 そして、いろんな味のキムチを味見させてくれた店主に少しでも還元したい。そういう気持ちも溢れてきた。 もはや、1つだけ買うというルールも忘れていた。 おっちゃん。今日は負けたよ。あんたのキムチ買ってくよ。そう決めて、きゅうりのナムルとネギキムチとタコキムチこの3種類を買うことにした。 「じゃあ、この3つください」と言った後におっちゃんが気になる一言を言った。「じゃあ何グラムにする？」 目の前にあるキムチはパックに入っている。私はてっきりパック1つの値段が表記の値段かと思っていた。 よく目を凝らして見ると、横にちっちゃな文字で100グラムと書いてあった。 騙された。いや、正確に言うと、勝手に騙されているのだが。 頼んだキムチやナムルのパックのグラムは200g〜300g。 思っていた金額よりも倍の値段であった。 たまには……たまにはいいよな、撮影も頑張ったし、おっちゃんもいい人だし……。 と、私の脳に無理やり納得させ、結局、合計5,000円を払ってキムチ、いや高級キムチを買うことにした。 「タルトを買えば……お刺身を買えば……いや、あれだけ試食させてくれたし……」 そんな考えが私の頭の中でぐるぐるしていた。 が、家に帰ってキムチを食べる頃には、美味しさのあまりそんなことはもう忘れていた。 <a href='https://note.com/teammate/n/n3cb1d12243e2'>続きをみる</a>

とはいえ、ご飯は食べたい。　8話

飯の話ばっかりしていると、本当にこいつはダイエットしているのだろうかと思う人も多いであろう。 答えはイエスでありノーである。 何度も言って申し訳ないが、大前提、私は痩せたいと思っている。 そのために毎日10,000歩歩いている。 仕事が忙しくて、たまに10,000歩を超えられない日もあるが、ほぼ日課になりつつある。 10,000歩を超えられない日があると、それなりにショックを受けるし、歩きたいとうずうずしてくる。 私の中で10,000歩歩くと言う行為が、定着してきた証拠である。 （フィットボクシングをやると言う話もしたが、あまりにもできていなさすぎるので、一旦この話では蓋をしておく。） 定着してきたので、最近はあまり疲労を感じないが、1日10,000歩歩くということはなかなかハードな運動である。 時間にすると1時間半ぐらいは歩いている。 これだけを聞くと、ダイエットしてるじゃん、イエスじゃんと思うかもしれない。 では、何がノーの部分なのか？ それはご飯の部分である。 痩せたいからといって、食事制限をするわけではない。 つまり、甘いものが食べたいなと思えば、素直に甘いものを買いに行くし、揚げ物を食べたいと思えば、火で油を温め始めるのだ。 現に、今も、ローソンで新発売したエッグタルトとチーズタルト手に入れようと歩きながらこれを書いている（喋り歩き）。 こんな状態で、ダイエットをしているかと言う質問に対してイエスで答えるのは、食事制限をして、本気でダイエットに取り組んでいる人に対して失礼にあたる。 仮に、私が本気でダイエットをしているとして、こんな奴がダイエットしてるなんて言い出したら、ブチ切れるに違いない。 この想いは、そうとうな癖毛天然パーマの私に対して、ちょっとくせ毛の輩が「俺結構くせ毛なんだよね」と話してくる気持ちと同じであろう。 さすがにふざけんなとぶち切れはしないが、心の中で、 『いやどこがやねん。目の前見てみろ。』 くらいは言っている。そんな話はさておき、もう半ダイエット生活も2ヶ月経とうとしている。 最初は77kgだった体重（一時は78kg）も今では75kg~76kg前半に落ち着き始めている。 半ダイエットというものも、しっかりと効果があるらしい。 効果があるとわかればこっちのものだ。 安心してご飯を食べることができる。 明日は何を食べようか？ ひとまず、ブロッコリーを唐揚げにすると美味しいという噂が流れてきたので、ブロッコリーを揚げるとしよう。 流石に、ブロッコリーだけを揚げるためにいっぱいの油を使うのはもったいない。 仕方あるまい。鶏やらエビやらいいものを探すしかないな。 明日は揚げ物パーティーだ。 <a href='https://note.com/teammate/n/na56df1999e69'>続きをみる</a>

とはいえ、ご飯は食べたい。　7話

気がつけば、2週も休んでしまった。 人というのは面白いもので、継続している間は、なんとしてでもやり遂げようと思っているのだが、1回休んでしまうと、2回目はすんなりと休む選択をしてしまう。 1回目の休載は、こんな文章を面白おかしく読んでくれる変わった読者の人に申し訳ないという気持ちと、自分がやり遂げることができなかったという悔しい気持ちを持っていたが、2回目の休載はそんな気持ちも薄れていた。もちろん、ただだらけていたわけではない。 年度末で駆け込み仕事が増え、さらに出張も重なったこともあり、なかなか書くということに重きを置くことができなくなっていた。 さすがに3週休んでしまうと、本当にやらなくなってしまうので、今週はしっかりあげようと週の初めに決めていたが、結局これを書いているのは今日の4時。 週1であげるのはなかなか根性の要るものだ。 尾田栄一郎はすごい。週1でストーリーを描き、絵まで仕上げる。 それを何十年もやり続けるのだから、尾田栄一郎は、相当な根性の持ち主である。 こんな文章とワンピースを比べるのは、そもそもおこがましいものであるが、本当に心の底から思ったので、ここに記しておく。 <a href='https://note.com/teammate/n/nb4fb8e0a9cf5'>続きをみる</a>

とはいえ、ご飯は食べたい。禊篇

私は映像制作の仕事をしている。仕事のほとんどは、編集作業のデスクワーク。 月に1~2回、合計2,30kgの機材を担いで、ほぼ1日撮影をするというハードワークをする。 故に、私の腰はいつも悲鳴をあげている。 20代前半の頃は、何もケアせずとも体がピンピンしていたが、20代後半に差し掛かってからはそうもいかなくなった。 ついこないだなんて、ただ立っていただけで腰のどこかが潰れたような”ポキッ”と音がなり、その場に崩れ落ちた。 ぎっくり腰とまではいかないだろうが、何もせずただ立っていただけで腰を痛めたことに、私は腰以上に心を痛めた。そんなこともあり、今は月に1回ほど、ボディーケアをしている。 ただでさえ、OMURONの体重計に体年齢37歳と言われているので、これ以上、私の体に老いを与えてはいけない。 <a href='https://note.com/teammate/n/ne32a101043b3'>続きをみる</a>

とはいえ、ご飯は食べたい。6話

2月14日バレンタイン。 年齢も年齢なので、ほとんど気にしなくなってきたが、世間がこのイベントを思い出させる。 どこもかしこもバレンタインフェア。有名パティシエとコラボしたスイーツや、有名チョコレート店とコラボしたスイーツなど多くのチョコスイーツが販売されている。 私はスイーツは好きだが、パティシエやブランドの名前は疎い。知っているのはゴディバやリンツくらい。 なので、どこどこがどこどことコラボしたという話が出ても、「ふーん」くらいの感想しか浮かばない。私にとっての最近のバレンタインは、家族から甘いものをもらえる日。 母ちゃんは毎年、友達が働いてるというチョコレート屋さんのチョコレートを買ってきて、家族みんなに配る。 もう食べ慣れた味だ。今年ももちろんもらった。 反射的に「またこれだ」とぽっとと出てしまった小言を瞬時に聞き取り、「結構いい値段するんだから」と、強く言い返された。油断も隙もありゃしない。 <a href='https://note.com/teammate/n/n0dda06ae053b'>続きをみる</a>

とはいえ、ご飯は食べたい。5話

制作物：OP動画、プロフィール動画、写真 制作期間：相談 2024年7月 制作開始 7月下旬 撮影10月 結婚式 1月末 予算価格レンジ：30〜40万円　※映像・写真撮影費<figure name="cc4f58c0-9fe1-4c5e-9c65-04a3c9e6f868" id="cc4f58c0-9fe1-4c5e-9c65-04a3c9e6f868" data-src="https://vimeo.com/1056404915?share=copy" data-identifier="null" embedded-service="vimeo" embedded-content-key="embf2c884e4770c"> </figure> <a href='https://note.com/teammate/n/na73d052c5c00'>続きをみる</a>

WEDDING MOVIE #02：ひろいさん・みゆさん

上田市で、映画ワークショップを開催いたしました。
その名も「うえだ映画づくり教室」。
第1回の講師には上田市菅平出身の映画監督である鶴岡慧子さんをお招きいたしました。
今回のワークショップは、事前オンラインミーティングと、2日間のワークショップを通し、参加者全員で短編作品を1作完成させます。
脚本と監督は鶴岡慧子さん。参加者は、俳優、カメラマン、録音など、さまざまな部門にわかれて、映画制作に携わります。
完成させた映画は、第28回うえだ城下町映画祭のスクリーンで上映予定です。


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とはいえ、ご飯は食べたい。　8話

とはいえ、ご飯は食べたい。　7話

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